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2026.05.17

EQで整えても、なぜか音が平面的に感じることがある

EQやIRを追い込んでも平面的な違和感が残るときは、後段処理をさらに足す前に、後段へ渡る前の信号のまとまり方を見直す価値があります。

DAW上でEQを調整し、IRもいくつか試した。単体で聴くと悪くないのに、録ったギターがどこか平面的に残る。そんな場面があります。
ここで見たいのは、EQやIRが間違っているかどうかだけではありません。後段処理は必要です。帯域を整えたり、距離感を作ったり、ミックスの中で音を置くために欠かせない工程です。
ただし、後段は録られた後の音を整える場所です。後段へ入る前の信号が薄いままだと、EQを足しても、IRを替えても、整ったのに自然にまとまらないことがあります。そういうときは、音をさらに足す前に、前段側で信号の密度やまとまり方を見直すほうが近道になることがあります。
beyond tube preamp 2s は、その選択肢のひとつです。原音を変えない増幅を目的としたプリアンプで、フラット時はほぼ素の音のまま、ギターやアンプのキャラクターを消さない機材です。派手な変化を求める人より、今ある音のまとまり方を整えたい人に向いています。

EQで整えても、音が平面的に残るとき

録音後にギターを聴き返して、EQのポイントは大きく外していない。IRも極端なものではない。音量も足りている。それなのに、音が前後に動かず、画面に貼り付いたように平面的に感じることがあります。この違和感は、単なる高域の強さやノイズだけではありません。ここで言う デジタル臭さ は、デジタル機材そのものの良し悪しではなく、音の成立感が足りないように聴こえる状態を指します。これは演奏の密度、信号の入り方、後段での整え方が混ざって起きることがあります。
だから最初に、どの場所で薄くなっているのかを分けて見ます。演奏の当たり方なのか、後段へ渡る前の信号なのか、EQやIRの処理なのか。ここを分けるだけで、同じ違和感でも触る場所が変わります。

後段処理は必要。ただ、役割が違う

EQ、IR、コンプ、空間処理は、録った後の音を整えるために必要です。帯域の整理、キャビネット感、距離感、ミックス内での置き場所は、後段で触るほうが自然なことも多くあります。
一方で、後段処理はすでに入ってきた信号を受け取る工程です。元の信号が薄く、コードの面や単音の押し出しが弱い場合、後段で中域を足しても、音の厚みではなく調整の跡だけが前に出ることがあります。
IRを替えると雰囲気は変わります。EQを触ると帯域も整います。それでも、演奏の芯が奥行きとして残らないなら、後段だけを責めるより、後段へ入る前の信号を一度聴き直したほうが判断しやすくなります。

足す調整と、整える調整を分ける

後段で足す調整は、録られた音の聞こえ方を整える作業です。高域を少し抑える。中域を足す。IRを替える。空間を足す。どれも音を置くために意味があります。
前段で整える調整は、後段へ渡る前の信号の入り方を見る作業です。入力レベル、Gain、前段EQ、プリアンプの位置、歪み系から空間系へ渡る前のまとまり。ここで信号が薄いと、後段で足す量が増えやすくなります。
前段で整った信号は、後段処理の量を減らせる可能性があります。これは効果の約束ではありません。確認する場所は、EQカーブの見た目ではなく、コードを弾いたときの面、単音の立ち上がり、ミックスの中で音が自然に残るかどうかです。

前段側からまとまりを見る

前段を見直すときは、最初から機材を足す話にしないほうが整理しやすくなります。まずは、アンプシムやIRへ入る前の信号を聴く。入力が弱すぎないか、強く押し込みすぎていないか、GainやEQで余計に薄くしていないかを確認します。
そのうえで、信号チェーン由来の前段に余地があるなら、プリアンプを使う考え方があります。ここで大切なのは、元のキャラクターを大きく置き換えることではなく、後段へ渡す前のまとまり方を整えることです。
beyond tube preamp 2s は、原音を変えない増幅を目的としたプリアンプです。フラット時はほぼ素の音のまま、ギターやアンプのキャラクターを消さない前提で使います。12AY7真空管、Gain、Treble / Mid / Bassの3バンドEQ、パッシブEQ + TMBトーンスタックを備え、JCやデジタルアンプの補正用途も確認されています。
配置は、歪み系から本製品を通り、空間系へ渡す流れが前提です。宅録で扱う場合も、後段へ渡る前の信号をどうまとめるかを見ると、このプリアンプの役割が見えやすくなります。

合う人、合わない人

この考え方が合いやすいのは、DAW、IR、EQ、モデラーを使いながら、今のギターやアンプのキャラクターは残したい人です。派手に方向を変えるより、録音前後の信号の密度、空気感、まとまり方を整えたい人に向いています。
一方で、後段処理だけで完結させたい人や、原音を大きく置き換える方向を探している人には、あまり向いていないかもしれません。まずは自分の素材の音がどこで薄くなっているかを聴き分けるほうが、判断を誤りにくくなります。

EQやIRを整えても平面的な違和感が残るなら、後段をさらに追い込む前に、後段へ渡る前の信号のまとまり方を見直す価値があります。
まずは、EQをさらに足す前に、録音前の信号が薄くなっていないかを確認してみてください。

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