2019.10.08
一部のお問い合わせに「ハムノイズ」に関するものがありました。
通常のエフェクター用電源アダプターをご使用いただければ起こらない問題ですので、その仕組みと推奨アダプターをご説明いたします。
トランスにより100Vの交流電圧を交流の低電圧に変換。
順方向の電流のみを流し、逆方向の電流を流さないダイオードの性質を利用した交流の整流。
さらにコンデンサを用いた平滑回路。
しかし脈流を平滑しても、さざ波のようなリップルが残ります。
このリップルがハムノイズとして現れるため、Beyond Tube Booster (以下BTB)の電源としては不適切と言えます。
上記「1. 簡易リニア式」に「安定化回路」を組み込んだもの。
3端子ICによる安定化により、回路が簡単かつノイズが少ないため、高級オーディオ機器・エフェクターに有用です。
BTBの電源として適切と言えますが、電源トランスは重く大きいため現代の主流とはなり得ません。
リニア電源と全く異なる方式により、この重く大きい問題を解決したスイッチング電源。
スイッチング電源では商用交流をまず直流に整流してから電圧変換。
整流された電流を半導体素子の高速スイッチングによりパルス波の交流に変換。
軽量・小型化を実現しています。
ただし、高速スイッチングによるノイズの発生は起こりますので、同じスイッチング方式の中でも、各エフェクターメーカーより発売されている
「エフェクター用としてノイズ対策回路を搭載したスイッチング方式のACアダプター」をBTBの電源としてお選びください。
******推奨アダプター******
CUSTOM AUDIO JAPAN ( カスタムオーディオジャパン ) / PB12DC9-2.1
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/144488/
BOSS ( ボス ) / PSA-100 ACアダプター
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/211921/
<10月12日追記>
弊社推奨アダプターではなくとも、各メーカーから販売されているエフェクター用のノイズ対策の施されたパワーサプライであれば問題なくご使用いただけます。
アナログエフェクターでは、電源ラインに「ハムノイズ対策を施したもの」も存在し、これにより電源を選ばずとも通常使用が可能なものもあります。
BTBにも「ハムノイズ対策回路の挿入」は可能であり、実際に開発段階では対策回路入りのプロトタイプも製作しました。
しかしその対策には、9Vからの降圧等による(専門的解説は割愛)
「真空管特有のダイナミックレンジの妥協・音圧の衰退等」といった問題があります。
私たちは音質へのこだわりを重視し、あえてこのデメリットある対策を行わず、「最適な電源を用いることで、ハムノイズの発生を抑える」という結論に至りました。
皆様のご理解とご協力をお願いいたします。