2026.05.14

真空管ペダルのノイズ感は、真空管そのものだけで決まるものではありません。beyond tube preamp 2s では、9Vから100Vへ昇圧することで生まれる電気的な余裕を、音のレンジやノイズ感にもつながる設計上のこだわりとして大切にしています。
真空管ペダルと聞くと、質感や粘りを期待する一方で、ノイズも増えそうだと感じる人は少なくないと思います。特に前段に入れるプリアンプでは、後段のアンプシム、コンプ、EQで信号を持ち上げるほど、元のノイズも目立ちやすくなります。
ただし、ノイズの印象を 真空管だから だけで片づけると、見る場所を間違えます。真空管そのものにもノイズ要因はありますが、実際には電源の安定性、ゲインの持ち上げ方、回路のヘッドルーム、レンジ感とのバランス、さらに使用環境まで関わります。
beyond tube preamp 2s では、筐体内で9Vを100Vまで昇圧しています。初代は、ビンテージ感や良い意味でのやぼったさを狙った9V機で、12AU7を使用していました。現行機では、回路再設計の大きな軸として100V昇圧が置いています。
ここから先は、事実と私たちの考えを分けておきます。100V昇圧そのものは設計上の事実です。そこから生まれる電気的な余裕が、ノイズの出方にも良い影響を与えていると私たちは見ています。ただし、測定値として確認された話ではありません。
結論としては、真空管ペダルのノイズを見るときは、真空管の種類だけでなく、電源、ゲイン、回路全体の余裕まで一緒に見ることが大切です。100V昇圧は、音の余裕をつくるために入れた、beyond tube preamp 2s らしい設計のひとつです。
真空管ペダルに興味を持つと、最初に気になるのは音の質感かもしれません。もう少し粘るのか。角が丸くなるのか。アンプらしい反応が出るのか。そういう期待と同時に、でもノイズも増えそう という不安も出てきます。
その不安は自然です。真空管機器には、内部由来のノイズや、振動を拾うマイクロフォニックのような要素があります。小さな信号を大きく扱う回路では、ノイズの扱いが重要になることも一般的な話です。
ただ、ここで勘違いして欲しくないのは、真空管が入っているからノイズが多い という見方をすることです。ノイズは真空管だけで決まるものではありません。回路がどう動いているか。どのくらいの余裕を持って信号を扱っているか。どの段でゲインを稼いでいるか。そこまで含めて、実際のノイズ感は変わります。
だから、真空管ペダルを見るときは、まず真空管の種類だけで判断しなくて大丈夫です。電源、ゲイン、回路全体の余裕まで見ると、その機材がどんな音を目指しているのかが少し見えてきます。
ギター用のペダルでは、ノイズの原因がひとつに決まらないことがよくあります。ピックアップが拾う環境ノイズ。照明や電源まわりの影響。高ゲインのペダルで持ち上がるヒス。後段のコンプやEQで目立つようになる成分。どれも、プレイヤーが感じる ノイズが気になる に混ざります。
回路側でも同じです。電源にリップルや過渡的な揺れがあれば、それをどれだけ抑え込めるかが問われます。ゲイン段では、信号だけでなく、元からある小さなノイズも一緒に持ち上がります。ヘッドルームが狭ければ、音量やレンジを稼ごうとしたときに、余裕のなさが歪みや荒さとして出やすくなります。
つまり、ノイズ感は 真空管の有無 と ゲイン量 だけの話ではありません。電源、ゲイン、回路の余裕、信号チェーン全体が重なって、結果としてどう聴こえるかが決まります。
ここを分けると、ノイズ対策も少し見え方が変わります。単にゲインを下げるだけでは、ノイズは減ったように感じても、音の押し出しやレンジ感まで弱くなることがあります。反対に、設計に余裕があれば、必要なレンジや反応を残しながら、ノイズ面の扱いやすさにもつながる可能性があります。
beyond tube preamp 2s で重要なのは、筐体内で9Vを100Vまで昇圧していることです。
この設計を、単に 電圧が高いからすごい と読む必要はありません。大事なのは、真空管段や前段回路をどう動かすか、そのためにどのくらいの電気的余裕を持たせるかという話です。一般にヘッドルームは、信号が回路の動作限界や電源レールにどれだけ近づくかという余裕として説明されます。余裕が狭いと、信号を扱うときに歪みや詰まりが出やすくなります。
初代は、ビンテージ感や良い意味でのやぼったさを狙った9V機でした。そこでは12AU7を使用しています。これは初代を否定する話ではありません。むしろ、初代には初代の狙いがありました。
一方で、現行の beyond tube preamp 2s では、回路再設計の大きな軸として100V昇圧を置きました。100Vという数字は、単なるスペックではなく、音の余裕をつくるために入れた beyond tube preamp 2s らしい設計のひとつです。
9Vから100Vへ昇圧は、回路再設計の大きな軸でした。
ただし、そこからノイズ面の結論を断定することはできません。測定済みのノイズ低減量が確認できているわけではないからです。この記事では、100V昇圧をノイズ低減の唯一の理由としては扱いません。
私たちは、この100V昇圧によって生まれる電気的な余裕が、ノイズの出方にも良い影響を与えていると考えています。無理にゲインを稼がず、信号を余裕のある範囲で扱えることは、ノイズや荒さの印象にも関わってくるからです。
ただし、それだけで説明しきるつもりはありません。ノイズは電源だけでなく、ゲイン配分、真空管段、基板レイアウト、シールド、後段の増幅、実際の使用環境でも変わります。
beyond tube preamp 2s について言えることは、まず設計上の事実です。12AY7真空管を搭載し、Gainと3バンドEQを備えるプリアンプであること。原音を変えない増幅を目的とした製品として整理されていること。そして、筐体内で9Vを100Vまで昇圧していること。
もうひとつ言えるのは、私たち開発側の考えです。初代はビンテージ感や良い意味でのやぼったさを狙った9V機で、12AU7を使用していました。初代は現行よりノイズが多かった、というユーザーからの指摘もありました。現行機では、100V昇圧が回路再設計の大きな軸になりました。
一方で、言えないこともあります。100V昇圧だけがノイズの改善の理由だ、とは言い切れません。常に静かだとも言えません。測定値があるようにも書けません。100Vに昇圧したことで、他社の真空管ペダルより優れたものになった、と言い切れるわけではありません。
だから beyond としては、こう伝えたい。真空管ペダルのノイズは、真空管そのものだけでなく、電源設計、ゲイン設計、回路全体の余裕で印象が変わります。beyond tube preamp 2s では、9Vから100Vへ昇圧する設計をその大きな特徴として置き、その余裕を音のレンジやノイズ感にもつなげようとしています。この設計が良さにつながっているか、ぜひあなたの耳で聴き比べてみてください。
beyond tube preamp 2s の100V昇圧は、音の余裕をつくるための設計上のこだわりであり、その余裕がノイズ感にも良い方向で働いていると私たちは見ています。
真空管ペダルを見るときは、電源やゲイン設計まで見ると、その機材がどんな音を目指しているのかが少し見えてくるでしょう。